家を好きになるために、小さな自然を暮らしの中に【自然の道具箱 Vol.4】

 

#新生活  #暮らしを整える  #家 #身近な自然

この春から新生活が始まった人も多いのではないでしょうか。
そんな季節に、家から毎日の暮らしを見つめなおしてみませんか。
小さな自然を暮らしの中に取り込んでみたら、家がもっと好きになるかもしれません。

 

最終更新日   2023/4/30
執筆・写真 Atsuko Ebizawa

 

 

おうちは大事。

 

引越しをするとよくわかる。

 

段ボールだらけの家では

仕事も手につかない。

外に気持ちが向かわない。

 

 

 

「ここが好き」と思える場所で

暮らしを営むこと。

それが幸せに直結している気がしている。

 

素敵な旅館に泊まるのもいい。

海外でバケーションするのもいい。

 

でも、わたしがもっと大切にしたいのは

毎日の暮らしと家。



 

非日常のために

日常をおろそかにするよりも、

日常をどう穏やかに過ごすのか。

 

満たされた気持ちで過ごす今日を

淡々と積み重ねたい。

 

 

 

この春に越してきた家は、

昭和50年代に建てられた

古い木造の2階だて。

 

タイムスリップしたような空間に

はじめはびっくりしたけれど

 

掃除や料理をしているうちに

家が躍動しはじめた。



 

 

朝一番に窓を開けると、

太陽の光をのせた爽やかな風が

部屋の中を通り抜ける。

 

 


野花を小瓶に生ける。

道端がかわいく彩られる

春だけの小さな楽しみ。

 

 

 

庭のプランターには夏野菜の苗を。

次の季節を想像してみる。

 

 



日の当たる場所で深呼吸。

いつもの香りを

体の中に取り込めば、

もうここがわたしの家。

 

 

この家からわたしたちは、

「いってきます」と

「ただいま」を繰り返す。

 

家に軸足をおいて

ピボットするように

人と、まちと、つながっていく。

 

家を愛して、

日々のリズムを刻んでいく。

 

 

 Profile

海老澤敦子 Atsuko Ebizawa

1988年、兵庫県出身。革作家。
小学校教諭として在職中に、JICAボランティアとしてエチオピアへ(2015~17)。教育に携わる仕事を経て、2022年よりフリーランス。エチオピアレザーを使ったアクセサリーや革小物の制作と販売をしている。

Instagram  @atsuko_today

 

 

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エッセイ連載 ”自然の道具箱"

 

Vol.1  巡らない朝に、森の空気を
Vol.2  生活のオノマトペ
Vol.3  さよならの季節、ゆれる気持ちが向かうところ。
Vol.4     家を好きになるために、小さな自然を暮らしの中に
Vol.5    手を眺めながら思うこと。
Vol.6    哀しみに寄り添う雨の景色
Vol.7    一杯のみそしる
Vol.8    夏の自然に、涼を求めて。

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