一杯のみそしる 【自然の道具箱 Vol.7】

 

#料理 #五感 #自然の恵み 

 なんだか力が湧いてこない...そんな日は、丁寧に一杯のみそしるを作ってみませんか。体の感覚が蘇り、自然の恵みを受け取ることができるはず。

 

  最終更新日   2023/7/31
  執筆・写真 Atsuko Ebizawa

 

 

 

 

食と自然。 

 

慌ただしい毎日の中では、 

このつながりをすぐに見失ってしまう。 

 

我が家は、ただいま家庭料理を見直し中。 

 

和食中心になった食卓から、 

食べることと自然の関係について 

思いを馳せるようになった。 

 

 

 

 

和食といえば、だし。 

 

これまでは 

顆粒だしや白だしを料理に使っていて 

自然の素材から 

出汁を自分で取ることが 

ほとんどなかった。 

 

だしの取り方は 

調べてみると意外と簡単で 

煮干しや昆布を水に一晩つけておくだけ。 

 

 

 

 

朝はそれを数分煮出して 

好みの具材を入れて 

みそしるをつくる。 

 

香りと共に 

体が目覚めていく。 

 

口にふくむと 

まあるい味がやさしい。 

 

 

 

 

この旨味は 

どこからやってくるんだろう。 

 

昆布やにぼしの産地の近くには 

山があって 

雨が降ったときに 

大地のミネラルが  

山に流れ込んでくるそう。 

 

だしの旨味は 

山からの恩恵なのか。 

 

 

 

 

一杯のみそしるの 

向こう側に広がる 

自然と人のつながりを想像する。 

 

だし、野菜、味噌。 

 

私たちは気づかぬうちに 

自然の恵みを十分すぎるほど 

受けっとっている。 

 

つながりの実感が 

わたしを元気にしてくれる。 

 

それだけでいつもと違う 

いただきます。 

 

 

 Profile

海老澤敦子 Atsuko Ebizawa



1988年、兵庫県出身。革作家。
小学校教諭として在職中に、JICAボランティアとしてエチオピアへ(2015~17)。教育に携わる仕事を経て、2022年よりフリーランス。エチオピアレザーを使ったアクセサリーや革小物の制作と販売をしている。

Instagram  @aster_ethiopianleather

 

 

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エッセイ連載 ”自然の道具箱"

Vol.1  巡らない朝に、森の空気を
Vol.2  生活のオノマトペ
Vol.3  さよならの季節、ゆれる気持ちが向かうところ。
Vol.4     家を好きになるために、小さな自然を暮らしの中に
Vol.5    手を眺めながら思うこと。
Vol.6    哀しみに寄り添う雨の景色
Vol.7    一杯のみそしる
Vol.8    夏の自然に、涼を求めて。

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